井上ひさしさんが亡くなり、多くのメディアが功績や評伝、追悼の言葉を伝えていましたね。
「むずかしいことをやさしく/やさしいことをふかく/ふかいことをゆかいに/ゆかいなことをまじめに書くこと」とよく記しておられたそうです。このことを、4月12日の東京新聞の筆洗や朝日新聞の天声人語が伝えていました。早朝のNHKラジオでは内橋克人さんも引用して、言葉の達人の内面に言及していました。作品を仕上げるまで幾度も幾度も、とことんまで言葉を推敲(すいこう)し、身を削るような作業を積み重ねるからこそ、読んで受け入れられ、上演して伝わる言葉に仕上げられているのでしょう。
人にものを伝えることの基本を、端的に表わしていると思います。ところが「むずかしいことをやさしく/やさしいことをふかく……」―これが本当にむずかしいのです。ジョイセフの活動もなかなか容易には理解がむずかしい面があり、どんな言葉ならわかっていただけるのかと、スタッフが日々奮闘している状態です。
★また一人、惜しい人物が逝ってしまいました。以前、氏の講演を聴いた時、弱い立場の人の心を深く理解され、心根の優しい、ユーモアにあふれた(言葉を発する)方だという印象が強く残っています。平和を希求する熱意は人一倍だったと思います。
吉里吉里国の「国葬」で弔われ、見送られることでしょう。
65年間、戦争で人を殺していない日本を、どうか監視していてください。