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お産婆さんに取り上げてもらいました(吉備路の総社生まれ)
タイタニック号と人口問題

とつぜんの問いかけですが!!

1912年4月14日、午後11時40分に何が起こったかご存知ですか? 読んでいるみなさんは、ほとんどこの世に存在していない時代のことですけど、タイトルから想像してみてください。

4万6000トンの当時世界最大の英国客船タイタニック号が、沈没し始めた時間です。乗客・船員2223人のうち生存者はたった706人、残りの1517人は海に投げ出されて死にました。

わずか3分の1しか生存できなかった理由のひとつは、当時世界の海を支配していた大英帝国であったはずなのに、なんといっても救命ボートが不足し、全部で約1160人の収容力しかないという安全規定の不備とずさんさが直接の要因でしょう。

救助された生存者の階級別、性別割合が極めて特徴的で、

1)大人の男性の生存率はわずか20%に対し、女性と子どもは71%、これは「子どもと女性ファースト」のアングロサクソンのルールが守られたこと
2)同時に1等、2等、3等の船室の等級によって大いに異なること(1等船客全体の60%は生存、女性と子どもはその92%。3等船客は全体でたったの25%、女性と子どもは49%)

だそうです。

以上のことは、河野稠果(しげみ)先生執筆の「タイタニック号と人口問題」からのほんの一部の抜粋です。運命の分かれ目についてもっと詳しく書かれているのですが、割愛します。英国のレディーファーストの当時と現在のこと、レディーファースト社会ではない日本だったら、など洒脱な文章であれこれ言及して大変興味をひかれる内容です。


繊細なタッチの挿絵を描いてくれた画家は、つのださとしさんです。原画は、コンピューターではなく、紙に手で描いたものでした。

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さて先生によると、タイタニック号はそのまま「宇宙船地球号」に置き換えられる、さらに3等船客は途上国民の運命の象徴とも考えられるということです。私の場合は2等船客だったか、あるいは3等だったでしょうか。ここに人口問題が大きく横たわっているのです。現在進行中の地球資源、環境の問題、先進国と途上国の不平等性など、まさに世界の人口問題が「宇宙船地球号」の抱える大きな課題であることがわかります。
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なぜ、「タイタニック号と人口問題」の原稿を思い出したのか、書いておきます。28日、河野稠果(しげみ)先生からメールをいただきました。ジョイセフが前世紀に発行していた月刊誌「世界と人口」への寄稿原稿のコピーがほしいとのことでした。

ひとつは「タイタニック号と人口問題」、もうひとつは「松本清張と人口問題」で、早速バックナンバーからコピーをとりました。「タイタニック号と人口問題」は1998年の6月号、松本清張のほうはさらにさかのぼって1992年12月号です。「10年ひと昔」という言葉どおり、「光陰矢のごとし」を実感しながら、一筆添えて郵送しました。

先生は、厚生省人口問題研究所(現 国立社会保障・人口問題研究所)の所長を退官された後、麗澤大学で教鞭をとられ、いまは名誉教授でいらっしゃいます。人口分野の研究者として重鎮であるばかりでなく、エッセイスト、また私にとっては言葉博士にも変身なさることもあります。私は、先生の原稿に登場した言葉が初めてというのによく出合い、あわてて辞書を引いて意味を知ることを何度も経験しました。

たとえば、「……タイタニックが、氷の塊と衝突したくらいでは鎧袖一触(がいしゅういっしょく)、沈むことはあり得ないという驕傲(きょうごう)があったことも……」という文章からは2つの言葉を学びました。

あのころの原稿は手書きでしたから、原稿用紙にすらすら並んだ文字に驚いたことでした。「なに、単に不勉強で教養が足りないだけだ」という声が聞こえてきそうですが、実は一つの原稿に最低でも一つくらいは、こっそり辞書を引く字句がありましたねぇ。今まで、先生からいただいた原稿の数だけ、語彙が増えた計算になります。今でも感謝、感謝の気持ちであふれそうです。もう一度「ありがとうございました」と言わせていただきます。

では長くなりましたので、ここらへんで終わりにします。続きはいずれまたの機会に。
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by joi-maba | 2010-05-30 23:18 | 日々 | Comments(0)
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