「第7回男女の生活と意識に関する調査」について、日本家族計画協会のDr.北村から調査結果が報告されました。
いくつかのトピックスのうち、2つに触れておきたいと思います。
★1つ目:
出生前診断
* 妊娠したときに血液を採取するだけで胎児に異常があるかどうかを知るための検査に関心が高まっている。
* 確定診断には羊水検査が必要。
* 精密検査の判定が「異常」と出た場合には、67.3%が中絶すると回答。
(男性65.9%、女性68.6%)
⇒パーフェクトベビーを求める傾向を示していることと読み取れます。
これをどうとらえるか、当事者の気持ちと障がい者の立場の間で心が揺れてしまいます。
*
胎児が異常であるという診断だけでは中絶が許可されないことを知っていた⇒全体の18.5%
そう言えばその通りなのですが、このことは私も勘違いするところでした。
改めて「
母体保護法」を見てみると、人工妊娠中絶が許可されるのは、
妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により
母体の健康を著しく害するおそれのあるもの。
暴行・脅迫等によって妊娠したもの。
★2つ目:
経口中絶薬
* 2010年の産婦人科医師へのある調査によると、妊娠初期の中絶方法は、
掻爬法が35.3%、掻爬後吸引が27.1%、吸引法が10.6%という。
*
WHOは吸引法と経口中絶薬を推奨しており、日本の現状に対してリプロダクティブ・ヘルス/ライツを軽視していると指摘している。
* 2013年現在、世界の53カ国(地域)で承認され妊娠49~63日の妊娠初期の中絶に使用されている。
* 今回の調査結果では、「このような方法があるなら利用したかった、したい、させたい」という問いに、
65.3%が「わからない」と回答した。
⇒この数字に対して、なんとも解せない気持ちでいっぱいです。
経口中絶薬のことが知られていない結果が理由としても、 掻爬法より、経費的にも身体の負担的面でも、ずっと受け入れられやすいと思うのですが・・・。日本でも承認されるように、もっともっと声を上げていきましょう!
* 「利用したかった」という回答は、約20%程度で、当事者である女性の声が男性を上回っている。
リプロダクティブ・ヘルス/ライツについて、日本の現状と人々の受け止め方を考えさせられる調査結果です。