先日、大東文化大学の
小泉康一教授から新刊の大著をいただきました。
題名は、
『グローバル・イシュー:都市難民』です。
ナカニシヤ出版発行・3700円+税
長年にわたる豊富な経験をもとに、難民の実態と援助のあり方、課題と方向性を提示しています。
本書は世界中で都市スラムへと逃げ込む難民、すなわち“都市難民”に焦点を当て、問題を掘り下げていく研究書です。シリア難民も今話題になっていますが、難民の規模の拡大と広がりは、まさに各国に立ちはだかる核心をなす課題です。
大きな政治問題でもある、難民問題の改善策を考える上で、示唆を与える内容です。
“グローバル”という言葉を日常よく見かけるようになりましたが、本来の意味を再考し、日本を含む世界が立場表明をする時でしょう。
これは
独り言です⇒
ニュースに触れるたび、心の傷みを感じながら何もできていない自分の焦燥感を、多少とも緩和する手立てが見つけられそうです(じっくり読み込めば・・・)。
ちょっと長いですが、ご参考までに目次を載せておきます。
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まえがき
序 章 問題の概観
1 はじめに
2 現代の危機と移動する多様な人々
3 急激な都市化と都市型災害
4 不可視の人々
――利便性と危険性――
5 〝現実は選択の問題ではない〟という多様な理由を理解する
第1章 背景と文脈
1 都市難民とは何か
2 困難な定義
3 UNHCRの見方と取り組み
4 敬遠・忌避される難民キャンプ
5 都市にとって、なぜ都市難民が問題なのか
6 都市難民が抱える特有の事情
第2章 都市難民へのアプローチ
――基本となるデータと分析法――
1 はじめに
2 移動の心的状況
3 都市への流入と困難な実態把握
4 国際強制移動研究と生計アプローチ
第3章 難民の法的保護――国家の政策と法制――
1 はじめに
2 国家の安全保障への懸念と負担の感覚
3 厳しさを増す〝北〟への入国と暴力的抵抗
4 法の実施と難民保護
5 UNHCRの新政策と保護活動
6 登録と難民認定
7 書類入手と法的地位
8 労働権
9 まとめ――人道と政治(市民権)――
第4章 都市で生きる
1 はじめに
2 受け入れ国での障害
3 深刻な住居問題
4 頻繁な移動と登録
5 〝ただ待つ〟ことは病気にする
6 生きるための戦略・工夫
7 歪んだ戦略を強いられる難民もいる
8 絆の社会ネットワーク
9 当面の課題
10 調査と介入
第5章 都市の成長と危機移動
――地方自治体と国際人道援助――
1 はじめに
2 地方自治体の責任と役割
3 多様な対象者と援助
4 移動と開発
5 都市開発と人道活動
6 人道空間と人道行為者
7 人道援助とコミュニティでの生活
8 法的枠組みと統合過程
第6章 グローバルな避難民と都市対応の人道活動
1 はじめに
2 不可逆的な都市化と国民国家の人口管理政策
3 グローバル化の高まりと南北間の格差の拡大
4 おわりに――広い視野と新しい人道指針――
終 章 都市難民の研究
――倫理と科学的厳密さ――